世界中の多くの場所で、非ヒト動物が労働力として使われている。これらの動物はしばしば、苦しみと苦難に満ちた生活を送り、役に立たなくなると殺されてしまう。
動物たちは資源として利用されている。利益や価値を得るための投資対象なのだ。それらの動物は、しばしば利用のために必要最小限の世話しか受けることができない。家畜の所有者は、自らの利益のために、家畜を病気から守り、十分な休養をとらせる場合もあれば、酷使した末に死んでしまった時には別の個体を使った方が得策だと考える場合もある。動物たちの置かれた状況は、極めて重要な点で、人間の奴隷と近い。彼らは強制的に働かされ、多くの場合1日に何時間も働かされる。彼らが生み出したものは人間に奪われ、他方で人間は動物に食べ物と住み処を与えるだけでいい。動物が経済的に利益を生むような働き方ができなくなると、殺処分される。
動物が労働者としてではなく、道具として使われる場合もある。その一例が動物実験である。また、動物は戦争の道具としても利用され、敵の陣地に爆弾を運ばせるなどの目的で使われることもある。
非ヒト動物は様々なかたちで労働力として使われる。多くの場合、輸送用や牽引用、あるいは「荷役の動物[1]」として使われる。警察犬のように、動物は時として危険な仕事をしなければならないこともある。
歴史を通じて、非ヒト動物は軍事利用されてきた。多くの動物が戦争で殺されてきた。平時においても、新兵器の開発や兵士の訓練などのために、動物が使用され、殺されている。
非ヒト動物は、命に関わる最も重要な利害(interest)についても人間とは全く異なる扱いを受けている。そのため、時には実験道具として利用されることもある。興味深いことに、ほとんどの人は人間を同じような方法で利用しようとは考えない。